簿記論　ここが出る？　どこが出る？

平成28年　第66回税理士試験

１、平成27年　第65回税理士試験について

　昨年の簿記論の受験者数は15,783人、合格者は2,965人で合格率は18.8％でした。

・第一問の問１では、長期請負工事における収益の認識に関する問題が出題され、問２では、ストックオプションを発行した側に関する問題が出題されました。

・第二問の問１では、会計上の変更があった場合についての遡及処理に関する理解をはかる問題が出題され、問２では、剰余金の処分等があった場合における繰越利益剰余金に関する問題が、問３では、会社法上の分配可能額の計算及びその他資本剰余金等からの剰余金の配当について理解をはかる問題が出題されました。

・第三問では、総合問題で、当座預金・売掛金・商品・減価償却などの正確な仕訳が要求されるのと同時に、外貨建取引等・資産除去債務・棚卸資産の評価・金融商品・研究開発費等・税効果会計などの会計理論の理解度や計算技術も必要とされました。特殊論点が多く時間配分などの解答戦略が必要な問題でした。

２、平成28年　第66回税理士試験の対策・出題予想

　今年の試験においても、第一問・第二問では個別問題が、第三問では決算整理を中心とした総合問題の出題が予想されます。

大手専門学校各校は、平成28年第66回税理士試験の試験問題として次の論点が出題されるのではないかと予想しています。

①リース会計

②税効果会計

③企業結合・事業分離会計

④一般商品売買

⑤有価証券

⑥外貨建取引

⑦特殊商品売買

⑧減損会計

⑨新株予約権付社債

⑩資産除去債務

　税理士受験生にとっては、試験にどこが出題されるか非常に気になるところですが、あまりヤマをはりすぎると痛い目にあうかもしれません。

　税理士試験は競争試験です。手をつけるべき論点と解答に手間のかかる論点を見極め、基本的な事項はコツコツと拾い、他の受験生よりミスを減らして1点でも多く得点していくことが肝心です。

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